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新星'78について

 音楽団体「新星'78」は、視覚に障害のあるクラシック音楽演奏家が、演奏会や研究会を通してたゆまぬ芸術の向上を図るとともに、音楽文化の発展に寄与することを目的として、1978年に発足しました。

 その後、多くの方々の暖かいご支援・ご協力のもとに数々の演奏活動の機会を得ることが出来ました。それらは純粋な演奏会形式のコンサートの他に、首都圏の一般小・中学校の音楽鑑賞教室を通しての児童生徒への情操教育、1978年から都内の教会で毎年2回開催して来た「チャペル・リサイタル」の企画・協力を通して、音楽家を目指す盲学生たちの啓発、全国的な各種イベント(官公庁や施設、企業等の催し物)への参加における社会福祉意識と地域の音楽文化への寄与、そして、ハワイやフィリピンへの海外ツアー、ベルギー、フランス、オーストラリア各大使館での「ベネフィット・リサイタル」を通しての国際親善と友好等があげられます。その中には、1979年から32年間、30回開催された「小学生に贈るコンサートの集い」〜「こどもたちにおくるふれあいコンサート」(上福岡ライオンズクラブ主催)や、1990年から94年、28回に渡り開催した「ライフプラザ・コンサート」(安田海上火災保険主催)、1991年から現在まで続けている百回を越える「新星'78 定期演奏会」(自主企画)、1998年から現在まで続けられているシリーズ「君にとどけたい愛のコンサート」(トウキョウ音楽企画主催)への出演も大変大きな足跡です。

 また、1981年から10年間の「国際障害者年」期間を通して、全国18都道府県で開催されたシリーズ"われら人間コンサート"への出演、あるいは、その企画も大変大きな足跡でした。このコンサートは、秋山ちえ子さん(評論家)、故・井深 大(いぶか まさる)さん(ソニー名誉会長)、永 六輔(えい ろくすけ)さん(放送作家)、松山善三さん(映画監督)の諸氏のご提唱によるもので、日本を含むアジア太平洋諸国の障害者と健常者の音楽家が一堂に会し、人間愛が一杯の音楽祭を開催することで、国内の障害者に対する社会的理解と障害者の自立促進、そして、発展途上国の障害者音楽家への励ましなどの多大な成果を残しました。

 この星達のまたたきの根源となっている点字楽譜に関しても、我々の努力により、欧米諸国の点字楽譜の国立国会図書館の設置、日本楽器からの全国的な輸入販売、そして、優れた楽譜点訳者の養成などにより、明るい道が開かれました。関係者の方々には感謝の気持ちで一杯です。

 各会員が内外コンクール入賞、大学院進学や海外研修、リサイタル開催、オーケストラ協演、そして、後進の指導や他職との両立など、多彩な方向を印しながら今後も素晴らしい音楽と、それによる新たな出会いを求めてまいりたいと思っております。

 最後に申し上げなければならないこと、それは、芸術の世界に身体障害の有無などという問題は介入すべきことではありません。しかし、音楽する1文化人として、また社会的にも、これらの事実がよい意味で理解され、相互に好ましい方向へならしめて行くことは、大変意義のあることだと感じております。

 今後とも皆様のご理解、ご支援の程、どうぞ宜しくお願い致します。

               

音楽団体「新星'78」会 長  三好 俊行


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